前略 金子みすゞ先生
以前「性転換―53歳で女性になった大学教授」という本を読みました。実際に性転換した方の自伝です。
その大学教授は、学生時代アメフトをやっていた長身のがっしりとしたひとで、そのため女らしい外見を手に入れるため、たいへんな苦労をなされたとか。
その本の中には教授が講義中に、ほっそりとした美形の青年がいるのを見て、
「ああ、ああいう人間だと自分とは違って女装もさぞ似合うんだろうな。女装すればいいのに」
みたいなことを思うシーンが出てきます。
そういえば知り合いに極真空手黒帯のHくんというひとがいるんですが、彼はバレリーナがくるくる回っているのをみると、
「なんでこのひと空手しないんだろう。あの回転力で蹴ればいいのに」
と思うそうです。
私には現在同居人がひとりいまして。
その同居人はマジック中華主義者で、かつてはマジックに打ち込む姿勢が真剣すぎたあまり周囲に人間に「鬼」と呼ばれたという伝説を持っていますので、当然人間を「マジックに対する適性」で判断しようとします。いつもじゃないけど。でもかなり。
笑顔が魅力的な人間は、その笑顔を生かすためにマジックをすればいいし、手先が器用なひとは当然マジシャンの適性がありますし、目立ちたがり屋がマジックをしないなんてもったいないねえ……くらいのことを日々考えています。というか、日頃そういう内容のことを喋っています。
どのひとが一番まともなのか私にはよく判りませんが、とりあえずこう言っておきましょう。
女装と、空手と、それから手品、
みんな違って、みんないい。
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